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公式ブログ “Como esta! BIO PARK”

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ファーブル伊藤の生き物日記「今年もアサギマダラの南下移動が始まっています。」

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10月になり、今年もアサギマダラの国内大移動(南下)が始まっています。アサギマダラというチョウは秋に暖かい場所を求めて沖縄など南西諸島から台湾に向かって移動し、世代が変わって翌年の春から初夏にかけて日本本土も目指して北上しています。この事実を実証した方法がマーキング調査です。翅に油性マジックペンで自分のマーク(標識)を書き込み次にどこで捕獲させるかを調べています。今年も10月16日までに群馬県から3匹、石川県から3匹、山口県から1匹が長崎県内で確認しました。他に出先不明の個体が2匹(1匹は富山県か?)を確認しており、合計9匹を捕獲しています。群馬県嬬恋村からは直線距離で約980km、石川県白山市からも約740kmという長距離を移動してきたことになりますが、長崎が彼らの最終地点ではありませんので、まだ旅の途中でエネルギー補給をしていたところだったのでしょう。この9匹は私の標識を入れて放蝶していますので、次にまた南方のどこで捕獲されるか楽しみです。
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また、私もマーキング調査を行なっており、「バイオ・ナガサキ」と記入して放蝶していますので、バイオマークが確認されることも多いに期待しています。昨年のように台湾などの海外で確認してもらえば最大の喜びです。
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なお、バイオパークにもアサギマダラが休息に来てくれることを期待して園内にアサギマダラが大好きなフジバカマを植栽しています。マレーヤマアラシからキリンの展示場の間の順路沿いです。
2014asagimadara.sasebokara.jpg
10月18日午前11時頃にフジバカマの撮影に行ったところ、5匹のアサギマダラが来ていました。この内の1匹は私が長崎県佐世保市弘法岳で10月15日にマークした個体でした。近距離の移動ですが、バイオパークに寄り道してくれたことがうれしくて、確認後南の島に無事到達してくれることを祈って再び放しました。

長崎県内では11月中旬までアサギマダラが見られます。