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公式ブログ “Como esta! BIO PARK”

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ファーブル伊藤の生き物日記「バイオマークのアサギマダラが台湾で2匹確認されました。」

2013台湾に飛んだアサギ②.jpg
今年の5月13日に当ブログで書いた「アサギマダラを追いかけて」では今年のアサギマダラのマーキング数を1146匹行なえば17年間のマーキング調査で通算5万匹になると目標を立てていましたが、その目標は9月24日に達成していました。
 その5万匹達成のご褒美のような重大な連絡が先日ありました。それはこのタイトルのように台湾で私のマークが発見されたのです。
 長崎県佐世保市国見山から9月24日に妻とマーキングをした個体が台湾の中国大陸側にある澎湖諸島で写真に撮られていたのです。私のマークはバイオと書いた後にその年の通し番号を記入していますが、残念ながら写真で判断できるのが、「ナガサキ 9・24 K」でした。「9・24」は日付で、「K」は国見山を意味していますので、間違いなく私が国見山で174匹マーキングをした中の個体です。もし、バイオ1146であればちょうど5万匹となったのですが、捕獲されていなかったので真相は不明のままです。
 その後同じ場所で今度は11月9日に 「バイオ2269 ナガサキ S  10・18」が再捕獲されています。この連絡を受けた時は驚きと共に嬉し涙が出て妻と抱き合ってしまいました。
 11月15日現在では私が長崎県からマークした個体で確認されたものは鹿児島県屋久島、鹿児島県奄美大島、沖縄県与那国島の3箇所です。特に与那国島への記録については長崎県佐世保市弘法岳から10月18日にマークした個体が10月24日に与那国島で発見されています。わずか6日間で与那国島にて確認されたのです。おりしも10月18日のマーク日は台湾へ飛んだ2匹目のマークをした日ですので、同じような移動をしていったのかもしれませんね。
 アサギマダラのマーキング調査は国内で1980年から行われており、2001年に日本から台湾への移動が2匹(その内の1匹がバイオマーク)確認されて以来昨年まで日本から台湾への記録が11例だったと思いますが、今年はこれまでに5例出ており、本当に快挙なことなのです。それも11月9日は日本から台湾への移動個体が3匹同じ場所で捕獲されています。1匹は山口県からで、もう1匹は大分県からです。しかもこの2匹をマークした方は同一人物なのです。もう1例台湾の別の場所で捕獲された個体も山口県からで同じ方のマークでした。
これは山口県→大分県→長崎県→台湾というルートがぼんやりと見えてきたような気がします。
 11月13日に今年3000匹目のマークも達成しましたが気温が低下してアサギマダラも少なくなってきました。今年はもうアサギマダラのマーキングの時期は終わりになって来ました。でも来年もまた台湾や南西諸島で繁殖した次世代が5月ごろから長崎県に渡ってくることでしょう。 
 今度は台湾から渡ってきたアサギマダラを捕獲してみたいものです。