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公式ブログ “Como esta! BIO PARK”

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ファーブル伊藤の生き物日記「ツシマウラボシシジミの生息域外保全を行なっています」

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長崎バイオパークでは環境省と公益社団法人日本動物園水族館協会からの協力依頼により、2015年からツシマウラボシシジミの生息域外保全に参加しています。
 NPO法人日本チョウ類保全協会と東京都足立区にある「足立区生物園」で2013年8月からその繁殖と個体数の維持を行なっており、我々もこれに協力しています。

 ツシマウラボシシジミは長崎県対馬にしか生息していない、日本固有亜種になります。
 大きさは前翅長1~1.5cmほどしかなく、国内に生息しているチョウとしては最小級の部類に入ります。以前はたくさん生息していたそうですが、対馬島内のシカの個体数が急増してしまい、ツシマウラボシシジミの幼虫のえさとなる、ヌスビトハギのなかまがシカに食べ尽くされて現在は日本のチョウの中で一番絶滅に瀕している種類と言われています。
 普通チョウの交尾はチョウ園などの温室で自然に行なわれます。また、確実に交尾させたい場合は容器に入れて行なわせますが、ツシマウラボシシジミはこの自然交配が凄く難しいチョウです。普通のチョウで未交尾のメスはオスの求愛に比較的すぐに受け入れますが、ツシマウラボシシジミのメスはしつこく追いかけてくれるオスが好きなようで、逃げるメスに振り切られるオスが多く、なかなか交尾には至りません。交尾はフラワードームで行なっているのですが、小さなクモの巣に囚われてしまう個体や人に踏まれることもあります。このため、職員の監視の中で行なうことになります。
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 この交尾実験を9月1日~3日に東京から日本チョウ類保全協会の中村康弘さんが指導者として来崎して行ないました。2日は雨のため暗く照度不足で実験は行なえませんでした。1日と3日に長崎バイオパーク生まれの30匹ほどの成虫を使い、2日間でなんとか5ペアの交尾確認を行ない、その5匹のメスは交尾翌日から卵を産んでくれています。4日は台風12号が長崎県に近づいていたため、ギリギリセーフといった感じでした。
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 これから交尾したメスたちは専用の飼育ケージで産卵させます。
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1匹のメスが40個平均で産卵することを望んでいますが、すでに1匹のメスが飛翔不能になってしまいました。少々不安が過ぎりますが、たくさん蜜を飲んでたくさんの卵を産んで欲しいと願っています。そしてその卵が孵化した後は我々職員がヌスビトハギの新芽や蕾、花、種などのえさを与えて飼育しなければなりません。この時期の幼虫は今年中には蛹にならず、幼虫で越冬して、来年の春に蛹になります。ツシマウラボシシジミの飼育で一番死亡率が上がる難しい時が越冬する幼虫です。今年1月の大雪で死亡する幼虫が大量に出てしまった反省を生かして、「越冬幼虫は要注(ようちゅう)意!」というスローガンを掲げて、近い将来に対馬の森に乱舞することを目標にして微力ながら頑張ります!!!
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