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公式ブログ “Como esta! BIO PARK”

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ファーブル伊藤の生き物日記「世界一美しいクワガタは?」

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 世界一美しいクワガタといえばオーストラリアに住むニジイロクワガタでしょう。昔は珍種で生きたものを見ることはなく、標本でも高価であり入手も困難でした。このため、20年ほど前の昆虫館で行なった「世界のカブト・クワガタ展」では標本の展示もありませんでした。
 植物防疫法の一部が改正された1999年11月からこれまで飼育できなかった外国産の生きたカブト・クワガタが続々日本に輸入されてきました。ニジイロクワガタもやや遅れて入ってきたようです。当時は生きたニジイロクワガタの入手は困難でありまだ高価でした。日本に入ってきた当初は大型のオスで10万円という値段を見た記憶があります。ところがその値段は急降下しており、現在では50mmほどのオスが3千円以下で販売しているようです。
 なぜこんなに庶民のクワガタになったのかと言うと、実は世界一美しいクワガタは飼育繁殖がとても簡単だったのです。
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 産卵も容易であり、産卵数も100個前後と多く、卵から1年以内で成虫になります。
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 幼虫は菌糸ビンというきのこの菌をおがくずに植え付けたものを食べて成長します。成虫の寿命は1年くらいと長いので展示には本当に最適です。
 現在ではこの美しいニジイロクワガタが現在昆虫館のバックヤードで次々と羽化しています。卵を産んでいるメスもいます。幼虫もたくさん成長中です。
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長崎バイオパークの昆虫館では現在「昆虫の赤ちゃん展」を開催しています。その中にこのニジイロクワガタの幼虫と羽化するまでという期間限定のさなぎを見ることができます。
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 今後はニジイロクワガタをたくさん増やして夏の「世界のカブト・クワガタ展」の時にニジイロクワガタのタッチングコーナーをしたいと思っています。美しいのはもちろんですが、他のクワガタと違ってオスの大アゴで挟まれても痛くないのため、お子様がふれあうのに最適なクワガタと言えるでしょう。
 今年実現できるかまだ分かりませんが、世界一美しいクワガタを手にしたお子様が目をキラキラさせる光景が私の目に浮かびますので実現に向けて頑張って増やしたいと思います。