公式ブログ “Como esta! BIO PARK”
ファーブル伊藤の生き物日記「キバが4本(!?)のクワガタムシが登場!!」
長崎バイオパークの昆虫館では7月21日からこの変わったノコギリクワガタの展示を開始しています。写真でお分かりになったでしょうか?ノコギリクワガタのオスの右側のキバ(本当は大あごです。)が枝分かれしており、合計で4本のキバがあるのです。
このノコギリクワガタは2012年7月19日朝6時頃、長崎県西彼杵郡長与町斉藤郷にお住まいの山口幸次様が諫早市多良見町の山林で採集したものです。それを長崎バイオパークの昆虫館に寄贈していただきました。私も生まれて初めて見る変わったクワガタに鳥肌が立ちました。
なぜこのような形になったのでしょうか?私の勝手な想像では、蛹の時に枝分かれした部分に傷があり、その傷をクワガタの体が修復しようとした時に間違って大あごが出来てしまったのではないでしょうか?
以前7本脚のカブトムシのメスを頂いたことがありましたが、その様子と似ているきがします。
昆虫って本当に面白い生き物ですね。是非、生きている内にこの奇妙なクワガタを見に来てください。
ファーブル伊藤の生き物日記「母親はカピバラ?」
今年6月16日に生まれたフサオマキザルの赤ちゃんは生後26日目の7月11日夕方より人工哺育に切り替え、この二日間は我が家に泊まり、母親役をしています。
7月10日夕方より母親の『ダイゴ』でなく、別のメスである『シゲ』が子を背中に乗せており、母親の元に返れず、11日に2頭を捕獲し母親の背に戻したのですが、母親の『ダイゴ』は子を無理やり背から引きずり下ろし、育児放棄がはっきりしたのでした。
我々はそれまで『シゲ』が『ダイゴ』より子を奪い、返さないものだと思っていたのですが、真実は『ダイゴ』が育児放棄した子を保護していたと思われます。
「『シゲ』様疑って申し訳ありませんでした!あなたは仲間思いの良い猿です。」
ただし今、育児していない『シゲ』には母乳は出ることは無く、子は衰弱していくだけですので、人工哺育を行わなければなりません。
オマキザルの島から離れた直後の子供はとても不安で「キィーキィー」と母親を呼んでいました。人用の粉ミルクを入手し、イヌ・ネコ用の哺乳瓶でミルクを与えましたが、初めは哺乳瓶の乳首が合わないのかお腹は空いているはずですが、あまり飲んでくれません。
また、サルたちの子供は母親の体にしがみ付いて暮らしていますので、何かを握っていないと不安になります。そこで、このタイトルのようにカピバラの背中を母親代わりにしています。もちろん、ぬいぐるみのカピバラですけどね。他にカバやウサギ、カメなどのぬいぐるみも使わせたのですが、この子が選んだのがこの毛足が長いタオル生地のカピバラのぬいぐるみでした。このため、同じぬいぐるみをメルカド売店から3つ用意して汚れた時の交換用にしました。
母親の体にしがみ付いているときには性別は判らなかったのですが、親から離れたことでオスであることが判明しました。このため、名前を『大地(ダイチ)』と名付けていつも彼に呼びかけています。
人工哺育の動物の子の将来については不安がたくさんありますが、しっかり親代わりをしてりっぱなフサオマキザルに育てていきたいと思っています。
なお、哺乳については2時間おきくらいにミルクをせがむため、夜は寝る暇もなく、睡眠不足になってしまいます。恐らく半年間は哺乳を続けないといけないので、私一人では体が持ちませんので、飼育係みんなで交代しながら母親代わりをしていく予定です。(夜の昆虫の会や飲み会に連れて行く訳にはいきませんので。)
自分の子の双子を育てたのが24年前でその時にもリスザルの人工哺育をしており、その当時を思い出し、懐かしく哺育をしています。24年ぶりに親なった気分でいましたが、若い飼育係から「お孫さんですか?」と冷やかされましたが、「それでもいいや!!」と反論せず笑っていました。
現在は昼間にはバイオパークに連れてきていますが、お客様に公開の時間はありません。雨や暑さを考慮しながら、哺乳などの時間の公開ができるようになればいいと思っています。
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