バイオパークの人気者「モモ」はいまやりっぱなカバに育ちましたが、日本で始めての人工哺育で育ち、はじめは水をこわがって「泳げないカバ」なんて呼ばれていました。
これは「泳げなかったカバ」のれきしです。
生まれたときの体重は32kg、体長80cm。
カバは水中出産が普通ですが、母親ノンノンは水温が低かったためか、陸上(沼地)でモモを生みました。このため、思うように身動きがとれないモモは、お母さんのお乳も飲めずに、そのまま夜になってしまい、気温も下がり、仮死状態になってしまいました。そこで飼育係はモモを取り上げ、なんとか体力を回復させ2日後に母親に返してみましたが、もうお母さんはモモのことを忘れていました。
こうして、日本には成功例のないカバの人工哺育がはじまりました。
一般公開開始
モモは生まれて一度も水に入ったことがなかったので、泳ぐことはもちろん水に入ることもこわがってできませんでした。バイオパークのカバ池は日本一広く、深いところでは2m近くもあるため、泳げなければこのカバ池に戻ることができません。こうして合計16回の水泳特訓が始まりました。
この時「泳げないカバ」というレッテルがはられ、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など多くのマスコミから取り上げてもらいました。
名前は6000通を超える応募のなかから「モモ」に決定しました。
モモはすくすく成長し、暮らしてきた部屋もだんだん狭くなってきました。いよいよモモが生まれた場所「カバの池」へ引っ越すことになりました。ハプニング続きの引越しも3時間かけて無事終わり、モモはこの日から柵越しで母親と暮らすことになりました。
両親との柵越しでの同居がはじまって、2年がすぎ、いよいよ本当の同居をさせることにしました。そして、モモはまた一歩本物のカバへと近づいたのです。
6歳の誕生日をむかえるモモの誕生日記念として、絵本「泳げないカバ・モモ」が発売されることになりました。
モモもお年頃になり、結婚相手を探していました。お婿さん候補に選ばれたのは、埼玉県東武動物公園にいる「ムーくん」です。一週間のお見合いの末、めでたくゴールイン!
バイオパークのスタッフや地元の幼稚園のお友達、そしてたくさんのお客さん、報道機関の皆さんにお祝いをしてもらいました。
そして、「ムーくん」との新婚生活がスタートしました。
モモは陸上で生まれたのですが、モモの出産は普通のカバのように水中で行われました。5時間以上苦しみましたが、無事に元気な男の子(ももたろう)を出産しました。おどろいたことにモモは経験のない水中で、ももたろうに母乳を与えていました。人によって育てられたモモは、ももたろうを育てたことで本当のカバになれたのだと思います。
このももたろうは翌年平成14年春に中国の動物園に旅立ちました。
第2子は女の子で「ゆめ」と名づけられました。ゆめは4歳になる平成19年の6月26日に静岡県にある富士サファリパークに旅立っています。
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